美と技とAKB



こんばんは。


今日はとくにネタが無かったのでつまらない事をそれっぽくネタにしようと思います。暇だったら読んでくださいましf^_^;


画像の金色の円柱!
これは会社で作ってる製品に使う部品の一部です。


これにいたっては一回の発注で必要な数はたった10個だけです。普通なら金属加工屋さんに図面を渡して製造を依頼しますがたった10個じゃかなり割高になるしいっぺんに数百から数千作っても在庫を抱える危険性があるので出来ません。そんな部品が多々あります。


ならばどうするか?

自分で作ります。たった10個を作ります。



といってもうちのようなボンビーな会社にNCのような自動機や旋盤すらありません。


振ればカラカラ音がするような頭をひねりながら搾り出した考えと持ち前の手先の器用さを武器に今回も作りました。


出来てしまえばこんなもの!と思いますでしょうがとんでもございません。これはかなり難しい加工なんです。


おおざっぱに手順を説明しますと。先ず太さ10ミリの真鍮丸棒を金ノコで長さ20ミリにカットします。荒切りした材料をノギスで測りながら精密に長さを調えます。


次にボール盤に材料をセットし回転させて目の細かい平ヤスリを当ててまるで旋盤加工したかのような輝きを演出します。


で、何が難しいかと申しますと。この部品にはセンターに穴が開いてます。この穴はM3のタップを切ってます。


このセンターの穴を材料のど真ん中に開けることこそ至難の技なのです。 難しい理由は既に外径が決まっているところからの加工だからです。自動機にしても旋盤にしてもセンターを決めてから外径を切削するのでど真ん中がとれますがその逆からの加工の場合はその材料にはたった一つしかないど真ん中を狙わないとならないからです。ちなみにたった一つという表現はだいたいじゃダメ!って意味です。(これ伝わってるかな)


こればかりは簡易で治具を作ったくらいではセンターは狙えません。材料の太さに微妙なばらつきがあるからです。


じゃ、どうしたか?

材料を万力に固定し、右手に鋭く研いだセンターポンチ。左手にはルーペ。


さいわい狙うべくセンターの位置は疑似旋盤加工により何となくわかります。そのたった一つのど真ん中をまるでレミントンM700を構えたスナイパーのように狙いすまします。


ポンチの先端がセンターを捕らえた時に息を殺して静かに当てます。鋭く研いだポンチの先端は滑ってズレる事はありません。そこをすかさずハンマーで叩き打痕を付けます。この時ポンチが垂直に立っていないと実は打痕が斜めに入るので失敗になります。


打痕を付け終わったら穴を開けますが最初に下穴を開けます。センタードリルは使わないで普通の金ドリルの1.5ミリで開けます。次にM3タップの下穴径の2.4ミリで仕上げます。

そしてタップを切れば完成です。


まったくの手作業だから厳密にいえばセンターはズレているかも知れませんが肉眼では判別出来ないのと実際に製品に取付てもその動作に滑らかさを与えました。



まぁ、円柱のセンターに穴を開けるなんて加工をやったことある人じゃないとこの難しさはわからないかも。


簡単に考えてる人はこういいます。

『そんなの真ん中にマジックで印し描いてやれば〜』って。これは論外です。その印しの真ん中をどう捕らえるのよ?って話しだから(笑)

とにかくAKBも円柱もセンターを狙うのは難しいって話しでした。


長々しくてごめんなさい( ̄▽ ̄)






2013年02月26日 Posted byワタル at 20:46 │Comments(0)

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